2011年10月03日

終番レビュー【ゆるゆり】

 完敗。この作品に対する個人的な印象を一言でまとめるとこのような言葉になります。1話見た時点ではクソアニメの中に埋没していくだろうとしか思えなかったのですが…… ギャグの演出、場の空気の表現などうまかったですね。そして、あかり空気ネタは、アニメがコミュニケーションの手段となったこの時代に最適のネタでした。OPとEDの中毒性もあって、アニオタ同士の話題にはもってこいです。とはいえ、本編が毎回面白かったかというとそれほどでもなく、笑えないギャグの方が多かった気がするのですが……。

 この作品のレビューとして、今までの百合作品史をまとめてその上で『ゆるゆり』を考える、みたいなものを考えていたのですが、僕はあんまり詳しくないし調べるのは疲れそうなのでやめました。しかし言いたかったことだけを短めにまとめてみようと思います。

 アニメ『ゆるゆり』のヒットは空気系アニメの系列に位置づけるのがおそらく適切であり、過去の本流の百合アニメの系譜に位置づけるのはかなり違和感があります。アニメ『ゆるゆり』は、“『マリア様がみてる』『Strawberry Panic』『神無月の巫女』『Candy☆Boy』『青い花』”といった純百合作品群よりも、“『らき☆すた』『ひだまりスケッチ』『けいおん!』『ミルキィホームズ』”といった空気系作品群に似通っているし、実際それら空気系アニメの技術の方が、作品づくりに生かされていてヒットの要因にもなっていると思うのです。

 僕の勘では、これまでに空気系の作品群が生み出した(ゆるめの)百合ファン層は、『マリみて』が生み出したそれを人数的に凌駕します。結局のところ、百合の普及という意味において『ゆるゆり』はダメ押しの一手に過ぎず、百合的なものは既に十分にアニメファンの多くに受け入れられていたのではないかと思うのです。そしてそれに貢献したのはおそらく、純百合アニメよりも空気系アニメでした。すなわち純百合作品群は、百合の普及のさせ方としては下手だったのではないかということです。最初から堂々と百合作品として売り出すと、一般の視聴者を身構えさせてしまうし、視聴者が自分でその作品から百合的な関係性を読み取る機会を奪ってしまうということにもなります。実際空気系の作品群では、キャラクター間の親密性に、一般の視聴者が勝手に妄想で百合的なものを次々と付加していました。制作側は良質な素材をつくり、百合的なものを少し匂わせれば十分で、あとは視聴者の想像力に委ねればよかったのです。こういったことはAKB48やKis-My-Ft2といった現代のアイドルグループが意図的に実践しており、また我々はBLという偉大な先例も見ていたのですから、このことに早く気付くべきでした。

 僕は最近、ポップカルチャーにおけるBL・百合の文化には更なる可能性があるのではないかと思っています。セクシュアル・マイノリティーに対する差別に反対したり、同性婚を認めるよう主張したりする運動は世界各地でありますが、多くの場合強い反発も受けます。まるで、『神無月の巫女』『青い花』といったガチ百合アニメが多くの人に気持ち悪がられてしまったように……。しかし、ポップカルチャーの力ならどうでしょうか。既に日本では、BLや百合の文化が広まったことで、昔では考えられないぐらいの数の人々が同性愛に理解を示しているのではないかと思います。もしかしたら、BLや百合が、世界を変えることがあるかもしれない。僕はいつか、そんな日が現実になることを願っています。
posted by おりあそ at 05:06| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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